SPI言語【長文読解(複数タブ)】問題 3

問題

次の文章を読み、後の設問1〜3に答えなさい。

スポーツのルールは、競技が始まったときから一度も変わっていないわけではない。道具の性能が向上したり、選手の体格や技術が変化したり、映像技術によってこれまで見えなかった反則を確認できるようになったりすることで、競技を取り巻く状況は変わる。そのため、多くの競技では、安全性や公平性、観戦のしやすさなどを考慮しながら、ルールの見直しが行われてきた。

たとえば、選手の安全を守るため、危険な接触を禁止したり、防具の使用を義務づけたりする変更がある。こうした変更によって、以前は認められていたプレーが反則になることもある。従来の激しさを競技の魅力と考える人からは、迫力が失われるという不満が出る場合もある。しかし、重大なけがが頻繁に起これば、選手が競技を続けられず、競技そのものの存続にも影響しかねない。

また、競技の流れを分かりやすくし、試合時間を調整するための変更もある。判定に時間がかかりすぎる場合には、確認できる回数や時間に制限を設けることが考えられる。攻撃が進まず試合が停滞しやすい競技では、一定時間内にプレーを進める規則を導入することもある。こうした変更は、選手の戦術に影響を与える一方で、観客にとって試合の展開を理解しやすくする効果が期待される。

ただし、観客に分かりやすくすることだけを目的にルールを変えればよいわけではない。試合を派手に見せるために得点を入りやすくしすぎれば、守備の技術や慎重な駆け引きの価値が失われる可能性がある。また、試合時間を短くすることを優先しすぎると、選手が考えたり作戦を変更したりする余地が小さくなることもある。競技の魅力は、速さや得点の多さだけで決まるものではない。

さらに、ルールを変更すると、選手や指導者が新しい戦術に適応するまで時間がかかる。変更の意図が十分に説明されなければ、競技者や観客から不公平だと受け止められる場合もある。そのため、変更前に試験的な導入を行い、けがの件数、試合時間、得点の変化、選手や観客の意見などを確認することが重要である。

よいルール変更とは、競技を単純に以前より速く、激しく、分かりやすくすることではない。安全性、公平性、競技らしさ、観戦のしやすさなど、複数の目的の間で調整を行うことである。変更によって得られる効果だけでなく、失われる価値や新たに生じる問題も検討し、必要であれば再び修正する姿勢が求められる。

【設問】

本文の内容と一致するものを、次の選択肢1〜5の中から1つ選びなさい。

  1. スポーツのルールは、競技が始まってから現在までほとんど変更されていない。
  2. 選手の安全を守る変更は、競技の存続にも関係する場合がある。
  3. 観客に分かりやすい競技にするには、得点をできるだけ増やす必要がある。
  4. 試合時間を短くすれば、選手が戦術を考える余地は必ず広がる。
  5. 新しいルールは、試験せずにすべての試合へ導入する方が公平である。
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【解答】
2

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解説

設問1

本文では、重大なけがが頻繁に起これば、選手が競技を続けられなくなり、競技そのものの存続にも影響する可能性があると述べています。

そのため、安全性を高めるルール変更は、選手個人を守るだけでなく、競技を将来にわたって続けるためにも重要です。

1は、競技を取り巻く状況に応じてルールが見直されてきたという本文に反します。3は、得点を入りやすくしすぎると守備や駆け引きの価値が失われる可能性があるため誤りです。4について、試合時間の短縮を優先すると、戦術を考える余地が小さくなる場合があります。5も、試験的な導入と効果の確認が重要だとする本文と一致しません。

したがって、正解は2です。

設問2

本文では、観客にとって分かりやすく派手な試合にするために得点を入りやすくしすぎると、守備の技術や慎重な駆け引きの価値が失われる可能性があると述べています。

この例は、一つの目的を達成するための変更が、競技がもともと持っていた別の魅力を弱めることがあると示すために用いられています。

1は、得点が多ければすべての観客が高く評価するとは本文に述べられていないため誤りです。2について、守備を重視する競技でも、安全性や公平性などの理由からルール変更が必要になる場合があります。4は、得点を減らすこと自体が目的だとは述べられていません。5も、攻撃と守備の価値を一律に比較する内容ではありません。

したがって、正解は3です。

設問3

本文では、安全性、公平性、競技らしさ、観戦のしやすさなど、複数の目的を考慮してルールを変更する必要があると述べています。

また、変更による効果だけでなく、失われる価値や新たに生じる問題も確認しなければなりません。そのため、試験的な導入を行い、選手や観客の意見、けがの件数、試合時間、得点の変化などを確かめ、必要であれば再修正することが重要です。

2は、速さや得点の多さだけに競技の魅力を限定しているため誤りです。3は、選手の意見だけで変更の可否を決める内容になっています。4は、状況に応じたルールの見直しを否定しています。5も、観客の意見だけでなく、選手の意見や各種データも確認すべきだとする本文に反します。

したがって、正解は1です。


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