玉手箱・C-GAB言語【趣旨把握】問題 1

問題

次の文章を読み、筆者の訴えに最も近いものをA~Dの中から1つ選びなさい。

睡眠時間を削れば、その分だけ勉強や仕事に使える時間は増える。締切前や試験前には、睡眠を短くして作業時間を確保しようとする人もいる。しかし、起きている時間が長いことと、成果が高いことは同じではない。十分に休めていない状態では、集中力が続きにくくなったり、簡単な判断に時間がかかったりすることがある。特に、同じ作業を長く続けていると、自分では気づかないまま注意力が落ち、見直せば防げたはずの間違いが増えることもある。

一方で、長く眠れば眠るほど良いとも言えない。必要な睡眠時間には個人差があり、休日に長時間寝ても、平日の生活リズムが大きく乱れれば、かえって翌日の調子が整いにくい場合がある。また、休息とは睡眠だけを意味するものでもない。短い休憩を入れたり、作業の種類を切り替えたりすることで、集中を回復しやすくなることもある。

重要なのは、活動時間を最大化することではなく、限られた時間の中で安定して力を発揮できる状態をつくることである。休む時間を「何もしない時間」と考えて削り続けると、結果として作業の質や判断の正確さを下げることがある。反対に、休息を取ること自体を目的にしてしまえば、必要な活動時間まで失われる。大切なのは、自分の状態や作業内容を見ながら、集中する時間と休む時間を組み合わせることである。

成果を考えるときには、単に何時間机に向かったか、何時間働いたかという量だけを見るべきではない。同じ三時間でも、疲れた状態で続けた三時間と、休息を取りながら集中した三時間では、得られる結果が異なる可能性がある。休息は活動の反対側にあるものではなく、活動の質を支える条件の一つとして考える必要がある。

さらに、休息の取り方は作業の種類によっても変わる。単純な反復作業では短い休憩を頻繁に入れる方がよいこともあれば、考えを深める作業では途中で何度も中断すると流れを取り戻すのに時間がかかることもある。したがって、「何分作業したら何分休む」と一律に決めるだけでは十分ではない。自分がどのような作業で疲れやすいのか、休んだ後に集中が戻っているかを確かめることが必要である。

また、休息を取ることに罪悪感を持つと、疲れていても作業を続けてしまうことがある。しかし、長時間続けたという事実だけでは、成果の大きさは分からない。休息を含めて活動全体を設計することは、怠けることではなく、安定した成果を出すための工夫なのである。

選択肢

A. 睡眠不足は集中力や判断力を低下させることがあるため、勉強や仕事では十分な睡眠時間を最優先に確保するべきである。

B. 集中力を高めるためには、長時間作業を続けるより、一定時間ごとに必ず短い休憩を取る方法が最も効果的である。

C. 成果を高めるには活動時間の長さだけを重視せず、作業内容や自分の状態に応じて活動と休息を組み合わせ、安定して力を発揮できる状態を整えることが重要である。

D. 睡眠時間は個人差が大きいため、他人の生活リズムを参考にするより、自分が眠りたい時間だけ眠る方が望ましい。

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【解答】

C

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解説

本文ではまず、「睡眠時間を削れば、その分だけ活動時間を増やせる」という考えが示されています。しかし筆者は、起きている時間が長いことと成果が高いことは同じではないと述べています。

その後、

  • 睡眠不足では集中力や判断力が低下することがある
  • だからといって長く眠れば眠るほどよいわけでもない
  • 休息には睡眠以外の方法もある
  • 作業の種類によって適切な休み方が異なる
  • 活動時間の長さだけで成果を評価すべきではない

と話を進めています。

つまり筆者が一番伝えたいのは、「たくさん眠ること」でも「頻繁に休憩すること」でもありません。

自分の状態や作業内容に応じて活動と休息を組み合わせ、安定して力を発揮できる状態をつくることが大切だということです。

したがって、正解はCです。

Aが誤りの理由

「睡眠不足は集中力や判断力を低下させることがある」という部分は、本文に書かれています。

そのため、一見すると正しそうです。

しかし筆者は、

長く眠れば眠るほど良いとも言えない

とも述べています。

つまり、睡眠時間を「最優先」にすべきだとは言っていません。Aは本文の一部分を強く言い換えすぎています。

Bが誤りの理由

短い休憩によって集中を回復しやすくなることは、本文に書かれています。

しかし、本文では同時に、考えを深める作業では何度も中断するとかえって効率が下がる場合もあると説明しています。

したがって、「一定時間ごとに必ず短い休憩を取る方法が最も効果的」というBは言い過ぎです。

Dが誤りの理由

「必要な睡眠時間には個人差がある」という点は本文にあります。

しかし、

自分が眠りたい時間だけ眠る方が望ましい

とは書かれていません。

一般論としてはもっともらしく感じるかもしれませんが、本文中にはない結論です。

【注意点】

趣旨把握では、本文中の一文だけを見て選ばないことが大切です。

この文章では、

「睡眠不足はよくない」
↓
「しかし、長く眠ればよいわけでもない」
↓
「作業に応じて休息を組み合わせる」

と議論が進んでいます。

途中の正しい内容ではなく、最後まで読んだときに筆者がどこへ着地しているかを確認しましょう。


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