問題
次の文章を読み、筆者の訴えに最も近いものをA~Dの中から1つ選びなさい。
料理のレシピには、材料の量や加熱時間、作業の順番などが示されている。初めて作る料理でも、手順を順番に追えば完成まで進みやすくなるため、レシピは料理を再現するための重要な手がかりになる。特に、温度や分量が結果に大きく影響する菓子づくりなどでは、基本の手順を守ることが失敗を減らす助けになる。
しかし、レシピどおりに作れば、どのような条件でも同じ結果になるとは限らない。同じ野菜でも水分量や大きさが違うことがあり、家庭によって火力や鍋の材質も異なる。四人分と書かれていても、食べる人の年齢や他の料理との組み合わせによって必要な量は変わることがある。そのため、書かれた数字を守ることだけでなく、実際の状態を見ながら調整する必要がある。
一方で、「料理は感覚だからレシピは不要だ」と考えるのも適切ではない。基準となる手順がなければ、何を変えた結果として味や食感が変わったのかを確かめにくくなる。基本の配合や手順を知っているからこそ、次に塩分を少し減らす、加熱時間を延ばすといった調整を意識的に行える。
つまり、レシピは絶対に変更してはいけない命令ではなく、再現のための基準として使うべきものである。初めて作るときは基本を確認し、慣れてきたら材料の状態や目的に応じて調整する。その際も、何をどのように変えたかを意識すれば、次回の改善につなげやすい。料理の上達とは、レシピから離れることではなく、レシピが示す基準を理解したうえで、現実の条件に合わせて使いこなせるようになることだと言える。
また、レシピを調整するときには、変更した結果を確かめる視点も必要である。塩を減らしたのに味が薄く感じなかったなら、ほかの調味料や材料が味を補っていた可能性がある。反対に、加熱時間を短くしたことで食感は良くなっても、安全性に問題が出る料理もある。つまり、変化を加える際には、味だけでなく食感や安全性など、何を保つ必要があるのかを考えなければならない。
さらに、レシピには料理を他人へ伝える役割もある。自分の感覚だけで作れる料理でも、別の人が同じものを再現するには、ある程度共通の基準が必要になる。レシピは創造性を妨げるものではなく、経験や工夫を共有するための土台にもなるのである。
選択肢
A. 料理では材料や器具の条件によって結果が変わるため、経験を積んだ人ほどレシピを見ずに自分の感覚で調理する方がよい。
B. 菓子づくりでは分量や温度が結果を左右しやすいため、一般的な料理よりもレシピどおりに作る必要性が高い。
C. レシピを共有すれば同じ料理を再現しやすくなるため、家庭料理についても材料の量や加熱時間を細かく記録することが望ましい。
D. レシピは料理を再現し工夫を共有するための基準として役立つが、絶対的な命令ではなく、基本を理解したうえで材料や目的など実際の条件に応じて調整して使うことが重要である。
解答を見る
【解答】
D
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解説
本文はまず、レシピには料理を再現しやすくする役割があると説明しています。
しかし、その後で、
レシピどおりでも条件が違えば結果が変わる
と述べています。
さらに、
だからといってレシピは不要でもない
とも説明しています。
つまり筆者は、
- レシピを絶対に守る
- レシピを使わず感覚だけで作る
という両極端のどちらも選んでいません。
レシピを基準として理解し、材料や器具、目的など現実の条件に応じて調整することが重要だと考えています。
また最後には、レシピは経験や工夫を他の人に伝えるための土台にもなると述べています。
これらを最も広くまとめているのがDです。
Aが誤りの理由
本文では、
「料理は感覚だからレシピは不要だ」と考えるのも適切ではない
と述べています。
したがって、経験を積んだらレシピを見ない方がよい、というAは本文の主張と合いません。
Bが誤りの理由
菓子づくりでは温度や分量が結果に影響しやすいことは本文に書かれています。
しかし、それはレシピの役割を説明するための具体例です。
文章全体は菓子づくりの話だけをしているわけではありません。
Cが誤りの理由
「レシピには他の人へ料理を伝える役割がある」という点は本文にあります。
しかし、
家庭料理についても材料の量や加熱時間を細かく記録することが望ましい
とは書かれていません。
一見もっともらしいですが、本文にない主張を追加しているため誤りです。
【注意点】
具体例が詳しく書かれていると、そこが筆者の主張に見えることがあります。
しかし趣旨把握では、
具体例を一段抽象化したときに何を説明しているのか
を見ることが重要です。
この文章では、
「菓子づくり」や「加熱時間」ではなく、
基準を理解して、条件に応じて使いこなすこと
が中心です。
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