問題
次の文章を読み、筆者の訴えに最も近いものをA~Dの中から1つ選びなさい。
整理整頓というと、物を減らし、机や部屋をできるだけすっきりさせることだと考えられがちである。確かに、使わない物が多すぎれば必要な物を探す時間が増え、作業する場所も狭くなる。定期的に不要な物を見直すことには意味がある。しかし、物が少なければ少ないほど使いやすい環境になるとは限らない。
たとえば、毎日使う道具まで見えない場所にしまい込むと、使うたびに取り出して戻す手間が増える。逆に、すべてを机の上に置けば、必要な物をすぐ取れる一方で、種類が多くなるほど探しにくくなることもある。大切なのは、物の数そのものより、必要な物が必要なときに見つかり、使った後に戻しやすい状態になっているかどうかである。
また、同じ収納方法がすべての人に合うわけではない。箱の中に細かく分類すると管理しやすい人もいれば、どこに入れたか分からなくなる人もいる。仕事の内容によっても、常に手元に置くべき物は異なる。したがって、雑誌で紹介された収納方法をそのまままねても、自分の使い方に合わなければ長続きしないことがある。
整理整頓の目的は、見た目を整えることだけではなく、必要な行動をしやすくすることである。そのためには、まず何をどのくらいの頻度で使うのかを確かめ、よく使う物ほど取り出しやすい位置に置くなど、自分の行動に合わせて配置を決める必要がある。そして、使ってみて不便なら配置を変えることも大切である。整った状態とは、物が少なく見える状態ではなく、目的に応じて物を管理できる状態なのである。
さらに、整理整頓では「どこに置くか」だけでなく、「いつ見直すか」も重要になる。仕事や生活が変われば、以前よく使っていた物を使わなくなったり、新しく頻繁に使う物が増えたりするからだ。一度きれいに並べた状態を守ることばかり意識すると、変化した使い方に合わない配置を続けてしまうことがある。
また、共有スペースでは、自分だけが分かる収納方法では不十分である。複数の人が使う道具なら、誰でも戻す場所を判断できる表示や分類が必要になる。整理整頓は個人の美的感覚だけの問題ではなく、使う人が迷わず行動できる仕組みづくりでもある。そのため、見た目の美しさより、利用する人や目的に応じて使いやすい状態が保たれているかを評価する方が重要である。
選択肢
A. 整理整頓では物を減らしたり見た目を整えたりすること自体を目的にせず、利用者や使用頻度、目的に合わせて必要な物を取り出しやすく戻しやすい状態をつくり、必要に応じて見直すことが重要である。
B. 整理整頓を長く続けるためには、市販の収納用品を使って物の置き場所を固定し、できるだけ配置を変更しないことが重要である。
C. 共有スペースでは個人用の場所より物を紛失しやすいため、すべての道具に利用者の名前を記載するべきである。
D. 必要な物を探す時間を減らすには、使用頻度の低い物をできるだけ処分し、目に見える物の数を少なくすることが最も効果的である。
解答を見る
【解答】
A
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解説
本文ではまず、
整理整頓とは物を減らし、見た目をすっきりさせること
という一般的なイメージを示しています。
しかし筆者は、
- 物をしまいすぎても使いにくい
- 出しすぎても探しにくい
- 適切な収納方法は人によって違う
- 使い方が変われば配置も変える必要がある
- 共有スペースでは他の人にも分かる仕組みが必要
と説明しています。
つまり、整理整頓の目的は「物を少なくすること」でも「きれいに見せること」でもありません。
必要な物を必要なときに使いやすくし、利用者や状況に応じて管理できる状態をつくることです。
したがって、正解はAです。
Bが誤りの理由
本文では、
仕事や生活が変われば、以前の配置が合わなくなる場合がある
と説明しています。
そのため、「配置をできるだけ変更しないことが重要」というBは本文と合いません。
Cが誤りの理由
共有スペースでは、誰でも戻す場所を判断できる表示や分類が必要だという話は本文にあります。
しかし、
すべての道具に利用者の名前を書くべき
とは述べていません。
現実には使われることがありそうな方法ですが、本文にはない内容です。
Dが誤りの理由
不要な物を見直すことには意味があると本文にあります。
しかし筆者は、
物が少なければ少ないほど使いやすいとは限らない
とも述べています。
したがって、「物の数を減らすことが最も効果的」とするDは本文の考えを単純化しすぎています。
【注意点】
本文の最初に出てくる一般論が、そのまま筆者の考えとは限りません。
特に、
「しかし」「一方で」「大切なのは」「つまり」
などの後に、筆者自身の考えが表れることが多いです。
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